エフェクター

エフェクターとは、ギターとアンプの間に繋げて音色を変化させる機器です。

コンパクトエフェクターやマルチエフェクター、そしてラックエフェクター(ラックシステム)など

色々な種類があります。今回は初心者向けとしてコンパクトエフェクター

そして、マルチエフェクターについて触れていきます。

ラックエフェクターに関しては初心者向けとは言い難い為、機会があれば別な形で

ご紹介出来ればと思っています。

 

コンパクトエフェクター

1個1個のエフェクターが独立して役割を持っている単体のエフェクターです。

多くの場合、必要なエフェクターを複数所持してギターとアンプの間に繋げる事で

音を作り上げていきます。

床に並べて、足で踏むことでON/OFFを切り替えます。

動力としては9Vの電池もしくはコンセントやパワーサプライという電源供給器から

動力を得て作動します。

得られるエフェクトの系統から、【歪み系(ひずみ)】【空間系】【ピッチ系】など複数の系統に

分けられますが、便宜上説明の為にここでも【~系】という言葉を使用致しますが

【~系】を覚えるよりは、このエフェクターはどんな効果があるかという事を

覚えた方が良いと思います。そうしたらいずれ【~系】は勝手に頭に入って来ます。

歪み(ひずみ)系

【歪み】は【ひずみ】と呼びます。アンプのゲイン(GAIN)を上げる事で

得られる音の歪みを機械的に生み出す効果があるエフェクターを歪み系エフェクターと言います。

ちなみに、ゲインとは簡単に言うと入力レベルです。回すとアンプから出る音が

大きくなりますが、音量レベルが大きくなったのではありません。

入力レベルが上がった結果、音量が大きくなった様に聞こえるだけです。

1.ディストーション


ヘヴィメタルやハードロックで愛用されるエフェクターです。

暖かみのある自然に近い歪み系の【オーバードライブ】より

攻撃的な歪みを作る事が出来るエフェクターです。

2.オーバードライブ


真空管アンプの自然な歪みを作る事が出来るエフェクターです。

多くのジャンルに愛用され、歪ませるだけでなくブースターとして

使用する事も多く、ギターソロの際に音量を上げる為に使われる事もある。

 

3.ファズ


音を強制的に潰したような激しい歪みを作り出すエフェクター。

実は歪み系で一番古い歴史を持つエフェクターです。

その激しすぎる歪みゆえに、使いどころに困る方も多いと思いますが

ファズの代名詞である【Big Muff(ビッグマフ)】はディストーションから

ファズまでの幅広いサウンド作りが可能で現在も多くの愛用者がいます。

 

モジュレーション(揺らし)系

原音を揺らして重ねる事で音に厚みを持たせたり、うねりを

出して見たりする効果をもたらすエフェクターです。

1.コーラス


原音に0.01秒遅れた音を重ねる事で周波数の上下による揺らぎを出し

複数のギターで弾いているかの様なエフェクトをもらたします。

音に厚みを持たせる効果があるのですが、エフェクトを掛け過ぎると

逆に音痩せが発生して薄っぺらい音になりやすいので注意。

 

2.フランジャー

よく言われるのが「ジェットサウンド」。ジュワーというような

うねりのあるサウンドを出します。原理はコーラスと同じですが

音の遅延の長さと遅延した音を重ねる回数が違います。

フランジャーの方が音の遅れが大きく何度も重ねる事により

音のうねりを生み出しています。

 

3.フェイザー


フランジャーの「ジェットサウンド」に対してフェイザーは

シュワーというような波の様な音を作り出すエフェクターです。

フランジャーがディレイ音(遅延した音)にうねりを作り

元の音と合せるのに対して、フランジャーは原音に位相(トーン)を

変化させた音を重ねる事で周波数のうねりを出す。

 

4.トレモロ


一定周期で音量を上げ下げするエフェクターです。

音自体に何か効果を加えるのではなく、音量を変化させる事で

揺らしの効果を出します。

 

5.ビブラート


ギター奏法のビブラートと同じ効果をもたらします。

コーラス等と違うのはコーラス等は原音+エフェクト音なのに対して

ビブラートは原音自体を揺らす事です。

奏法と同じ効果なので指でビブラートが掛けられるのであれば必要ありません。

コード弾きなど指でビブラートが掛けられない時に使用すると効果的です。

 

空間系

残響系とも言われる通りに音に広がりを与えます。

モジュレーション系と明確な区別が付きにくく、一緒にされることも。

お風呂や体育館、山などで大声を出したら声が反響して帰ってくる事により

残響音として聞こえたり、やまびこの様に遅れて聞こえたりするのを

機械的に作り出すエフェクターです。

1.リバーブ


名前の通り 残響音(リバーブ)を作り出すエフェクターです。

音は発音点から直接受音点に届く直接音と一度、壁や天井、床に反射(反響)して

受音点に届く初期反射音(反響音)。複数回、壁や天井、床に反射して原音が鳴り止んでも

反射し続け衰退しながら遅れて受音点に届く残響音があります。

この【残響】を機械的に作り出します。

 

2.ディレイ


例えるならディレイは「やまびこ」です。

ディレイは【反響音】を作り出します。

【反響音】とは一度、壁などの障害物に当って反射して受音点(耳など)に

届く音で、音がほぼ鮮明なまま届きます。カラオケのエコーと同じ仕組みです。

音を反響する時間を調整する事で、音をダブらせて厚みを出したり、

ずらす事で原音を追いかけるような音にしたりする事が出来ます。

【小学校】でやった複数人での追いかけながら歌う【かえるの合唱】を

一人でやるような感じでしょうか。

 

ダイナミクス系

ダイナミクス系は音の強弱に関係するエフェクターです。

1.コンプレッサー


簡単に言ってしまえば音の粒を揃えるエフェクターです。

ピッキング強さに意図しないばらつきが出ると、特定の音だけ

強く、または弱く出てしまう事で音が綺麗に聞こえなくなるのを

弱い音は強く、強すぎる音は弱く調整し、綺麗な音にする。

また、サステイン(音の伸び)をより伸ばす効果も得られる。

 

2.リミッター


コンプレッサーと似ているのですが、こちらはリミット(限界)から

その名前が付けられたように、限界値を決めてそれを超える音は

圧縮して音量を揃えます。コンプレッサーには緩やかに効果を出したり

急に効果を出したりと効果の出し方を調整する余地がありますが、

リミッターは限界値を決めるのでその余地はありません。

 

3.ノイズゲート


一定以下の音量をカットするエフェクター。

演奏していない時に出てしまうノイズなどをカットする事で

よりクリアな演奏をする事が出来る。

 

4.マキシマイザー


リミッターやノイズゲートが音をカットしたり抑え込むのに対して

マキシマイザーは小さい音を大きくするエフェクターです。

 

その他

細かく上げれば、【ボリューム系】や【フィルター系】、【ハーモニー系】など

分ける事は可能ですが、細かくなりすぎるので、その他として代表的なエフェクターを

ピックアップしてご紹介させて頂きます。

1.ピッチシフター

音程を変化させてハーモニーを奏でる事が出来るエフェクター。

一人のギターソロがまるでツインギターの様に聞かせたり出来ます。

 

2.ワーミー


ワーミーと言えばDigitechですね。

効果はピッチシフターと同じで音程を変化させるエフェクターですが

変化の度合いをペダルで調整できる為、飛び道具的な使い方になる事が多い。

ちなみにワーミーはエフェクト名ではなく、製品名なので、ピッチシフターの

所で一緒に説明しても良かったのですが、今回は敢えて別にさせてもらいました。

 

3.ワウ・ワウペダル


ワウはペダルの操作をする事で特定の音域をブーストします。

踏み込むと高音域がブースとされ、上げた状態だと中低音域がブーストされます。

ペダルを連続で操作する事で「ワウワウ」という音の効果を得られます。

ペダル式ではないオートワウも存在し、それはピッキングの強弱でブーストする

音域を決めています。

 

4.イコライザー


イコライザーは音の周波数別でブースト(強調)したり、カットしたり

する事で、音の補正や音質の調整をする事が出来るエフェクターです。

 

マルチエフェクター

マルチエフェクターってなんなの?っていうと1つの機器に

主要なエフェクターが数多く入っているエフェクターの事です。

昔は1万円しない物も結構ありましたが、今の主流は2万円前後からです。

もちろん、今でも探せば1万円未満のものもありますが。

じゃあ、コンパクトエフェクター買い揃えるよりマルチエフェクター1つ

買えば良くない?と思われるでしょう。

 

ええ、その通りです。それでいいと思います。

 

確かにマルチエフェクターは安い代わりに歪み系の音が変な感じがしたり

空間系の音が変だったり欠点はあります。

しかしながら、これからギターを始めようとするならば、マルチエフェクターで

充分です。まず大事なのは自分のピッキングと運指でアンプから綺麗な音を出す事。

 

エフェクターでサウンドを変えてどうこうというのはその後の話です。

マルチエフェクターの歪みがおかしいとか思えるのは、ある程度弾けるようになって

いざ、コピー練習した楽曲の原曲にサウンドを近づけたいと思う頃からです。

 

もっとこんな歪みにしたいとか欲が出てきたらコンパクトエフェクターを買って

コンパクトエフェクターで音作りをしたり、コンパクトとマルチを繋げて

マルチでは弱い部分をコンパクトエフェクターで補うなどをすれば良いのです。

 

私が始めて買ったエフェクターはZOOMの1010とかいうマルチエフェクターでした。

値段とかは覚えてませんけど1万円くらいだったような…

25種類のエフェクトから6種類選べて、ユーザー12種でプリセット30種の

合計42種類のエフェクトを管理できるマルチエフェクター…だったみたいです。

 

正直、ギターを始めたばかりの時は音がどうこうとかよりも、まず何かしらの曲が

弾けるようになることに精一杯で、プリセットされたエフェクトを使う事くらいしか

してません。ロックを弾く時は、歪み系のプリセット数種類から気に入った音を選んで

練習するというような。

もちろん、歪みが弱いとか気にした記憶がありません。最初はそんなものだと思います。

 

おすすめのマルチエフェクター

ZOOM G3Xn

初心者にオススメ!理由は分かりやすい操作性とクオリティ。

・70種類のギターエフェクトを搭載して最大7エフェクトを同時使用可能

・5種類のアンプモデル+5種類のキャビネットモデルを忠実に再現

・ペダルでボリューム/ワウ/ピッチを調整可能

・75種類のプリセットエフェクトですぐに憧れのギターサウンドで弾ける

 

ZOOM G1Xon

高いコストパフォーマンス!1万円を切る価格で手に入るGシリーズ!

・105種類のエフェクトを内蔵

・最大5種類の同時エフェクト

・クロマチック・チューナー内蔵で様々なチューニングが可能

・ACアダプターの他、乾電池やUSBバスパワーでも駆動可能

BOSS GT-1

マルチエフェクターの超人気シリーズBOSSのGTシリーズ!

迷ったらコレにしておけば間違いない納得のマルチエフェクター!

・LUNA SEAのSUGIZOが使っていたGT-100と同じサウンドエンジンを搭載。

・初心者に限らず、中級者でも納得のマルチエフェクター

・価格は2万を切ってくるという圧巻のコストパフォーマンス

 

最後にひとこと

もっとおすすめしたいマルチエフェクターはあるのですが

あれこれオススメしても結局は何?となるので以上3点に絞りました。

安さ重視ならばZOOM G1Xonです。

よく比較されるZOOM G3XnBOSS GT-1ですが、極々個人的な意見で言うと

BOSSと言えばコンパクトエフェクターでも超有名なメーカーです。

特に歪み系のコンパクトエフェクターは愛用者も多いので、マルチエフェクターに

おいても、しっかりとした歪みを出してくれる印象。また、過去のラインナップで

GTシリーズは良いサウンドというイメージがあります。

一方、ZOOMはマルチエフェクターのZOOMという印象が強い為、サウンドとしては

BOSSが一枚上手の印象。しかしながら、操作性に優れていて分かりやすい為に、

より初心者にとって嬉しい仕様になっているといった印象を持っています。

 

少しサウンドの良し悪しに触れましたが、ZOOMが悪いという事ではありません。

余程、悪い音でない限りは個人の好みの問題ですから。私も始めはZOOMでした。

それは、当時の楽器屋の店員さんに分かりやすく使いやすいのはZOOMです。と

アドバイスをもらったから、私はZOOM製のマルチエフェクターを選択しました。

 

最終的には、音を引き比べても良し。見た目の好みで決めても良し。

使いたい機能が付いているかの利便性で決めても良し。オススメ商品が一つに

絞り切れないのは、それぞれに良い所がある為なので、数種類のオススメエフェクターから

最終的にどれを選ぶかは自分自身の直感でお決めになるのが良いですね。