ギター材質の特徴2
アコースティックギター用
アコースティックギターは木の鳴りがメインの楽器ですので
使用する木材により大きく音質が変わります。トップ材、サイド材、バック材の
3つの木材でボディを形成し、ネック材と指板材で作られています。
主なトップの材質
トップ材は弦の振動を受けて共振する事で音を作りだす最も重要な部分です。
より振動を受ける為には、軽くしなやかな素材でなくてはなりません。
さらに、弦を張れるだけの強度が必要になって来ます。
スプルース(マツ科)
代表的なアコースティックギターのトップ材。
辺心材の区別が無く、全体的に白から黄褐色をしています。
マツ科の針葉樹ですが、産地によって大きく性能が変わって来ます。
インゲルマン・スプルース/カナダ・ヨーロッパ
出典:Yairi Guitar
高級トップ材の「ジャーマン・スプルース」に似た優れた音質と見た目を持つ。
いくつかのメーカーが「ジャーマン・スプルース」として使用していたほどです。
繊細で美しい音色を持つ人気のトップ材です。
ジャーマン・スプルース/ドイツ周辺
出典:Yairi Guitar
古くからヴァイオリンやギターの名器に使用されてきた高級トップ材。
現在は希少性が高く、入手が困難な材。
トップ材として最も多く使用されている「シトカ・スプルース」と比べて
輪郭がハッキリし、優れた振動性能より出される倍音豊かなサウンドが魅力。
シトカ・スプルース/カナダ・北アメリカ
出典:Yairi Guitar
数あるスプルースの中で最も高い弾性係数を持ち、理論上はトップ材として最も優れている。
癖の無い音質と徐々に飴色に変化する材質が魅力。
良質の材が入手し易く、最もポピュラーなトップ材です。
アディロンダック・スプルース/北東アメリカ
出典:Yairi Guitar
ギブソンやマーチンといった高級アコースティックギターに使われたが
名の通りアディロンダック山地にしか生息していない為、希少。
高音、低音共に良く出るバランスのとれた音質になり、最高のトップ材と
位置づけられていますが、入手困難な材。
シダー(ヒノキ科)
ウエスタン・レッドシーダー/北アメリカ東部・カナダ
出典:Yairi Guitar
米杉(ベイスギ)とも呼ばれる。
広音域で抜けの良いバランスのとれた丸みのある音質。
フィンガーピッキングに適しており、クラシックギターに使用される事が多い。
主なサイド・バック材質
マホガニー
出典:クロサワ楽器
中音域の響きが良く、ローズウッドと比較すると音の広がりや伸びは
短めでローズウッドとは違った魅力がある材。
「ホンマホ」と呼ばれる「ホンジュラス・マホガニー」は希少価値が
高く、良質な木材は入手し辛い為、高価となります。
インディアン・ローズウッド
出典:クロサワ楽器
ハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)が「ホンジュラス・マホガニー」など
希少性が高まり、入手が困難になった為に代用された材。
オールレンジで伸びも良く、ハッキリとした硬めのサウンドを出す。
徐々に良いものが少なくなってきており、希少性が高まって来ている。
マダガスカル・ローズウッド
出典:クロサワ楽器
ハカランダに最も似た特性と言われているローズウッド高級材。
ハカランダが使われたマーティンの復刻モデルではこの材が使われました。
インディアン・ローズウッドよりも硬質で芯の強いサウンドは
「ホンジュラス・ローズウッド」と共にハカランダに近いとされる。
ブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)
出典:クロサワ楽器
何度もその名が出て来たのでお分かりでしょうが、
サイド・バック材として最も高級な木材。
硬質で倍音の多い芯の強いサウンドを響かせます。
乱伐によりワシントン条約で厳しい制限を設けられたために
入手困難な材。ごく限られた一部の高級ギターにのみ使用されています。
メイプル
出典:クロサワ楽器
ギター材として有名な木材。重くて硬い。
その硬質から、レスポンスが早くジャキっとした音色が出る。
サステインは少なく短めな切れ味の鋭いサウンド。
コア
出典:クロサワ楽器
ウクレレで良く使用され「ハワイアン・コア」とも言われる。
密度が高く硬い材で中高音域の押し出しが強い材。
音量は大きくないが粒立ちが良く明るいサウンドになる。
主な指板材
アコースティックギターの場合は一部を除いて
ほとんどに「マホガニー」が使用されています。
また、フィンガーボード(指板)材は「ローズウッド」「エボニ―」と
エレキギターと材木は同じです。
指板材については「ギターの材質の特徴1」の主な指板材をご覧下さい。